2021年度慶應義塾大学文学部解答速報&入試総評
2021年の慶應義塾大学文学部の入試問題の解答速報と入試総評に関してのページだ。 2021年の慶應文学部の試験を受験した人や今後受験するつもりの人はぜひ参考にしていただきたい。
2021年度慶應文学の入試問題の特徴
慶應文学部は複数の方式はなく、配点や平均点、合格最低点は以下の通りだ。
入試年度 | 試験科目 | 配点 | 受験者平均点 | 合格最低点 |
---|---|---|---|---|
'20 | 英語 | 150 | 99.38 | 250 |
日本史 | 100 | 55.94 | ||
世界史 | 100 | 63.91 | ||
小論文 | 100 | 56.17 | ||
合計 | 350 | - |
順番にあげていこう。慶應の文学部の入試には大きな特徴がある。
英語の設問が完全記述式
大半の私立大学の英語は長い文章を読ませて記号を選ばせるという問題が主流だ。 しかし慶應の文学部の問題では制限時間が120分で大問数は1問、そして自分で文章を書くという記述式の問題となっている。 これは今後数々の文献を読んでいく文学部の人が、文章を読み、自分で解答を構築できる力が身についているのかを試すという意図があるのだろう。 そしてこのような形式のため一橋大学などや旧帝国大学の英語を勉強してきている人にとって非常に慶應の文学部は併願しやすいという特徴がある。 昨今の短い制限時間の中で多くの問題を解かせるタイプの問題ではなく、一問一問じっくり文章や設問と対峙することが要求される。
英語で辞書が持ち込み可
また同様に英語の試験では紙の辞書であれば持ち込みが可となっている。 長い時間の中で一問一問にじっくり取り組まなければならない、慶應文学部特有の配慮である。 以上のように慶應の文学部は国公立の問題のような印象を受けるため、特に私大専願の人はそれ相応の対策をしなければならない。
2021年度慶應義塾大学文学部解答速報
では実際に2021年の慶應文学部の解答速報を確認していただきたい。 問題確認後随時更新される形となるが、特に英語は即日公開予定だ。
英語
日本史
世界史
2021年度慶應義塾大学文学部入試総評
ではここで今年の問題の総評について確認しよう。
英語
本年度も例年通り大問1題構成だった。
大問1は長文読解。人類史における固定観念について。語数は約1930words。空所補充、内容説明、下線部和訳、和文英訳問題が出題された。空所補充問題は紛らわしい選択肢がないため、空所の前後の文脈を把握できれば正解できる。設問5から7は英文和訳問題で、語句や文法自体は難しくないが、しっかり文脈を把握しないと和訳できない問題となっている。設問8は下線部のように捉えた筆者が考えた理由について説明する問題。最終段落にあるpeoplesの対比を意識すると良い。難易度は標準。
全体的な難易度は昨年並み。
日本史
大問数、問題構成ともに昨年通り。記述式も100字で答えるものが2つ昨年と同じ形式での出題だ。
大問1は古代の宮都、中世の京都について。選択肢に適切な言葉がなかったときに0と答える補充問題が2問出題されたが、どれも基本的な問題だった。Mの豊臣秀吉は6、7に惑わされるが、年代を手がかりに解答したい。難易度は標準。
大問2は藤原定家、二条良基について。Hの下野はやや難しいが、宇都宮から連想すると正解できると思われる。Iの北条時政は悩ましいが、消去法で解答したいところ。難易度は標準。
大問3は明治後期の日露関係について。幕末から日清戦争後までの日露関係についての出題。ほとんど基本的なことが問われた。Bは下田、箱館、長崎の3つの港。Hの日本が獲得した庫平銀3千両を答える問題は難しい。難易度は標準。
大問4は古代の政治・外交について。飛鳥時代から平安までの5つの短い史料を題材とした問題だが、設問文でわかる問題が多かった。Bの留学生を導くのは難しいと思われる。またDの良岑安世も難しかった。難易度はやや難しい。
大問5は新井白石の政策について。問4は徳川家継か家宜か迷う。問8の記述は基本的な知識で対応できる。字数にも多少余裕があるので、しっかり記述したい。難易度は標準。
全体的な難易度は昨年並み。
世界史
大問数は例年通り。設問数も50問の記述式とこちらも例年通り。
大問1は街道の歴史について。全体的に基本的な問題が出題されたが、一部難しい問題があった。Hのダイムラーや(2)のアンセムルスなどの文化史がきちんと書けたかが大事だと思われる。難易度はやや易。
大問2は近代の東アジア史。こちらも難しい問題はあまりなかったが、(J)のチョイバルサンや(4)の民主と科学は細かい知識だった。(J)はノモンハン事件を手がかりに導きたい。難易度は標準。
大問3は近世の西アジア史について。だいたい基本的な問題だが、解きにくい問題が多く、この大問が一番取り組みにくい大問だったと思われる。(D)はウズベク3ハンのブハラ・ヒヴァ・コーカンドから迷う人が多かったと思われる。難易度は標準。
大問4はイギリス帝国史について。(D)が一見難問のように見えるが、3つ目の空欄で1536年にイングランドに併合、4つ目の空欄で連合王国のイングランド、スコットランド、アイルランドの記載があるため、そこから答えを導ける。難易度は標準。
全体的な難易度は昨年並み。
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