2021年度慶應義塾大学理工学部解答速報&入試総評
2021年の慶應義塾大学理工学部の解答速報と入試総評のページだ。
慶應理工の入試問題の特徴
理工系学部の中で私立最難関の慶應理工に関してだが、昨年の慶應理工の配点や平均点は以下の通りだ。
年度入試 | 試験科目 | 配点 | 受験者平均点 | 合格最低点 |
---|---|---|---|---|
'20 | 英語 | 150 | 271.89 | 309 |
数学 | 150 | |||
物理 | 100 | |||
化学 | 100 | |||
合計 | 500 |
※「合格最低点(平均)」とは、学門1~5における正規合格者の最低総合得点を、各学門の合格者数で重み付けして平均した値のこと。 慶應理工の大きな特徴としては、早稲田の理工と同様、理科が物理、化学の2科目必須であるということだ。 そのため私立3科目に絞って勉強してきた人は慶應理工を受験することができず、またこのような特徴や私立理工系学部最難関であるということから、東大や東工大などの難関国公立大学の併願者が非常に多いのも特徴だ。
2021年度慶應義塾大学理工学部解答速報
では本年の慶應義塾大学理工学部の解答を公開しよう。
英語
数学
物理
化学
入試総評
本年の慶應義塾大学理工学部の問題がどのようなものであったのか、そしてどのような対策をすべきであったのかをまとめたものである。今度の学習の指針にしていただきたい。(問題確認後随時更新させていただきます。)
英語
大問数は昨年と同じで4題だったが、大問4がこれまでの記述式問題ではなく、客観式の空所補充問題となったため、大問4の出題形式ががらりと変わっている。
大問1は長文読解。人間の聴く力と聞き間違いについて。語数は約700words。空所補充、同意語選択、内容一致問題が出題された。また昨年出題があった段落整序問題の出題は見られなかった。専門的な内容が多いため、長文読解がすこし難しい。特に問6の問題は複雑だった。難易度はやや難。
大問2も長文読解。イギリス家庭料理の特徴について。語数は約710words。同意語選択、空所補充、語句整序、発音、内容一致問題が出題された。特別な語彙や抽象的な表現があまりなく、英文は読みやすい。発音と内容一致問題が少し複雑だが、本学志望なら解ける問題。また、他の大問に比べると解きやすい。難易度は標準。
大問3は会話文。男女の会話について。語数は約200words。同意語選択、内容一致、対話文の要約完成が出題された。昨年同様、知識問題が多い。口語的表現、同義語の言い換え問題が多いが、文脈から判断できる。難易度は標準。
大問4は空所補充問題。化学用語に関連した文の空所補充問題。今年からの新傾向問題で語彙力だけでなく、物理や火化学についての知識も問われている。文や選択肢に見慣れない単語や専門用語が多く含まれるため、解くのが難しい。難易度はやや難。
全体的な難易度はやや難。
数学
大問数は昨年通り。突出した難しい問題はないが、計算量が多い。
大問1は図形と方程式と微分法。例年大問1は小問集合だが、今年は直線と領域がテーマの問題だった。(1)はtに対しての恒等式として考える。 (2)は微分法で関数の最大最小の実数解をグラフでみる。(3)は(1)(2)を利用し、図を書いて視覚的に考察するとよい。難易度は標準。
大問2は複素数と方程式。複素数と整式の割り算についての問題。(1)は虚数解の特徴から極形式で表した時に、有名角になるため、ド・モアブルの定理を使って高次方程式の次数を求める。(2)は整数の除法の原理に気づくと比較的解きやすい。難易度は標準。
大問3は確率と数列。(1)(2)は問題文を理解し、条件を満たす場合を把握できれば、点を取れる問題。(3)は5以上の目が2回連続でたときに終了するという条件を求める。(4)は(3)の関数を二項定理して解く問題。難易度はやや難。
大問4は微分・積分。(1)(2)は微分法で不等式を解く典型的な問題。(3)も(1)(2)の不等式からはさみうちの定理を使い、定積分の極限を求める。最後は区分求積法をすればよい。難易度は標準。
大問5は平面ベクトル、三角関数。(1)は法線ベクトルから連立方程式を解く。(2)はベクトルから最大値を求める。計算量が多いが、基本的なベクトルと三角関数の問題なため、ここは点を取りたい。難易度は標準。
全体的な難易度は昨年並み。
物理
大問数は例年通り。昨年同様、難しい問題がなく、新しい問題も丁寧な誘導があり取り組みやすい。
大問1は力学の問題。逆U字型の物体を床に固定したときの運動。(1)は等加速度運動と円運動の基本的な問題。(2)は運動量保存則と条件を連立して速度を求める。(2)の後半は計算量が多く、難しく思われる。(3)はリード文に従って解いていけばよい。難易度は標準。
大問2は電磁気。(1)は基本的な問題。(2)はローレンツ力や誘導機電力に必要な仕事率しっかりと確かめる必要がある。(3)はO’P’に電流が流れないことを利用してとくと良い。
難易度はやや易。
大問3は熱力学。2室に分けられた容器内の気体の状態変化について。(1)は状態方程式と内部エネルギーの基本的な計算。(2)はリード文に従い、状態方程式と熱力学第1法則を利用すれば良い。難易度はやや易。
全体的な難易度は昨年並み。
化学
大問数は昨年通り。計算問題が増加傾向にある。比較的難しい問題はないが、計算問題が多いため、時間配分に気をつけたい。
大問1は理論、無機。熱化学、結晶格子、電気分解、コロイドが出題された。全体的に典型的な問題が出題されている。
(3)の水素過電圧は知識が受験生は戸惑う問題だった。また本学ではあまりみられないコロイドの記述問題が出題された。難易度は標準。
大問2は理論、無機。溶解度積、電気平衡、反応速度について出題された.(1)はモール法のCl^-の定量法の問題。類似問題を解いた受験生と差が生まれる問題だった。(3)は反応速度定数を求める問題で、速度が負になるみかけの反応速度を考える新しい設定に受験生も戸惑ったと思われる。難易度はやや難。
大問3は有機。糖類、アスパルテーム、構造決定について出題。(1)は糖類に関する基本的な知識問題なため、確実に点を取りたい。(3)はC10H12Oの構造決定の問題。クメン法とヘキストワッカー法を用いて構造決定していく。難易度は標準。
全体的な難易度は昨年並み。
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