2021年度慶應義塾大学商学部解答速報&入試総評
2021年慶應義塾大学商学部の解答速報と入試総評に関するページだ。 慶應商学部を実際に受験した人、もしくは今後受験する予定の人はぜひ確認していただきたい。
2021年度慶應商の入試の特徴
慶商は、 A方式…英語200点、地歴公民100点、数学70点 B方式…英語200点、地歴公民150点、数学70点 の2つの方式にわかれる。 それぞれの方式の情報は以下の通りだ。
入試年度 | 試験科目 | 配点 | 受験者平均点 | A方式合格最低点 | B方式合格最低点 |
---|---|---|---|---|---|
'20 | 英語 | 200 | 124.55 | 244 | 309 |
地理歴史 | 100 | 64.92 | |||
数学 | 100 | 30.48 | |||
論文テスト | 100 | 70.30 | |||
合計 | 400 | - |
A方式、B方式ともに全体の半分を英語の得点が占めるだけに、英語でどれだけ得点できるかによってそれがそのまま合否に直結しそうである。 また2011年や2014年のように数学や論文テストなどが易化した場合、大きく合格最低点が上昇することもあり、これだけ得点できたら絶対に合格するとは必ずしも言えない面がある。 2016年も比較的合格最低点が高かった年だと言えるだろう。 特にA方式の数学は難易度差が激しいので注意が必要だ。 またA方式の受験科目は英語、数学、地歴公民と他の私立大学では類を見ない受験科目となっており、この受験科目の影響で東大や一橋など難関国公立大学の併願者が非常に多くなることも大きな特徴である。
2021年度慶應義塾大学商学部解答速報
では2021年の慶應義塾大学商学部の解答を公開しよう。 本年は英語と数学に関して、当日中に解答を公開するため、ぜひ今後の学習の指針にしていただきたい。
英語
数学
日本史
世界史
地理
論文テスト
入試総評
英語
大問数は昨年通り。数行の英文を読んでその論旨を問う問題が昨年に引き続き出題された。
大問1は長文読解。フランシス・パーキンスの貢献について。アメリカの労働環境改善への貢献について論じた文章。語数は約610words。空所補充、内容説明、本文の主題選択、内容一致問題が出題。語彙、文法ともに標準的なため、内容さえ把握できていれ解ける問題。難易度は標準。
大問2も長文読解。ドーナッツ経済学について。語数は約780words。空所補充、内容説明、本文の主題選択、内容一致問題が出題。内容の抽象的な表現がある部分や難しい語句があるため、本文理解に苦しめられる。設問の選択肢を手掛かりにとくと良い。難易度はやや難。
大問3も長文読解。ダーウィンの植物研究について。語数は約590words。空所補充、内容説明、本文の主題選択、内容一致問題が出題。本文は読みやすいが、選択肢に紛らわしいものがあり、正解を決めるのに苦戦する。難易度はやや難。
大問4は文法・語彙問題。短文の空所を補充する問題。問われている語彙や文法レベルは標準的。(30)は若干難しいと思われる。難易度は標準。
大問5は空所補充問題。英文中の7つの空所を補充する問題。こちらも大問4と同じく、語彙や文法レベルは標準的なため、時間をかけずに解答したい。難易度は標準。
大問6は内容一致問題。数行の英文の趣旨を選択肢から選ぶ問題。一部解答する根拠がわかりにくい問題があった。難易度はやや難。
大問7は空所補充問題。11行程度の英文中の5つの空所に与えられた動詞も語形を直して答える問題。時制に気をつけたい。難易度は標準。
大問8も空所補充問題。英文中の6つの空所に与えられた動詞を名詞に直して答える問題。名詞の複数形などに気をつけたい。難易度は標準。
全体的な難易度は昨年並み。
数学
大問数は昨年通り。
大問1は対数関数、微分・積分法。2つの独立した小問集合。いずれもリード文が丁寧かつ、基本的な内容であるため、ここは点を取りたい。難易度はやや易。
大問2は確率。袋に入った玉の色に応じて玉を追加する確率。文字が3つあり混乱するかもしれないが、球の個数の変化をしっかり把握すれば、計算は基本的なものである。
難易度は標準。
大問3はベクトル、微分法。座標平面上を動く点の位置関係に関する問題。(i)はsinθであることに気をつける。sinθを求める以外にベクトルを使わず、微分し、増減を調べると解ける。難易度は標準。
大問4は数列。法則に基づいて、格子点に割り当てられた数列の値と和を求める問題。計算自体は容易だが、点と値の対応が読み取りづらい。(ii)は(i)で一般項を求めておくと、計算が楽になる。難易度は標準。
全体的な難易度は易化。
日本史
大問数は例年通りだが、小問数は少し増加した。
大問1は中世の政治について。中世の政治について教科書どおりの基本的な問題が多いため、ここで確実に点を取りたい。記述問題も基本的なものなので、ケアレスミスに気をつけて満点を目指したい大問だ。難易度は易。
大問2は江戸から戦後の日本とフランスの関係について。政治・外交・文化史を中心とした日蘭の関係についてのテーマ。(59)(60)はリード文から特定するのが難しく、細かい知識が問われる。問3の記述問題は第4条と6条でどちらを書くか迷う受験生もいたと思われるが、しっかり区別ができていれば記述するのは容易だと思われる。難易度は標準。
大問3は近現代の政治について。日本の首相の在職記録をテーマにており、リード文をヒントにといていく問題。菅直人、野田佳彦など2000年以降の政治に関する知識問題が多く見られた。(5)の普天間基地は正解したい。難易度は標準。
全体的な難易度は昨年並み。
世界史
大問数は例年どおりだが、マーク数が少し増加した。
大問1は世界の一体化について。問4、問5の貿易の名前は商学部では頻出する名前だ。問1は基本的な問題が多いため、ここで点を取りたい。難易度はやや易。
大問2は都市の歴史について。古代オリエントから現代までの都市化の歴史をテーマに出題された。問1の(47)(48)の手がかりが1世紀のローマ皇帝だけということもあり、すこし難しい。(81)(82)のアラブ首長国連邦の宗主国を答える問題は難しい。難易度は標準。
大問3は革命の歴史について。問4は4つの社会層についての記載が教科書にある。問5は開発独裁についての説明を求める記述だが、記述が短くなるため、反共主義に触れて書くといい。昨年は新自由主義について問われているため、そのあたりの経済史の対策をしておくといいだろう。難易度は標準。
全体的な難易度はやや易化。
地理
大問数は例年通りだが、記述式が6つ増加した。
大問1はエネルギー産業。東日本大地震の原子力発電から始まり、フランス、アメリカの地誌が問われた。問1の原発事故が福島であったことなど細かい知識の要求があったが、基本的な知識で解けるものが多かった。難易度はやや易。
大問2は交通と通信技術について。交通をテーマにした題材で、シルクロードや航空交通の利点などが幅広く扱われた。選択肢に難しいものがなく、記述も基本的なことを問われていたため、全問正解したい大問だ。難易度はやや易。
大問3はインド。インドの農業、工業などインドの地誌問題となっている。問1で独立年などの年号を問う問題があり、やや細かい知識を問われたが、この大問も基本的な知識しか問われなかった。記述問題に関しても、問題文がわかりやすく、語句も基本的なものなため、点を取りたい。難易度はやや易化。
全体的な難易度はやや易化。
論文テスト
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