2022年度早稲田大学法学部解答速報＆入試総評

このページは2022年度早稲田大学法学部の解答速報と入試総評のページだ。 本年の早稲田大学法学部を受験した人、今後早稲法を受験するつもりの人はぜひ参考にしてほしい。

2022年度早稲田大学法学部の入試の特徴

早稲田法学部の2022年の配点や平均点、合格最低点は以下のとおりだ。

2022年度早稲田大学法学部解答速報

では本年の早稲田大学法学部の解答を公開しよう。（英語のみ即日公開。その他の科目は翌日以降の公開となります。）

英語

2022年度 早稲田大学 法学部 英語

国語

2022年度 早稲田大学 法学部 国語

日本史

2022年度 早稲田大学 法学部 日本史

世界史

2022年度 早稲田大学 法学部 世界史

入試総評

英語

大問1は社会状況に左右される美や望ましさの定義についての長文読解問題(914語)。大問2に比べると難解な文章なため、ここで得点差が付きやすいか。本文のワード数は昨年から減ったものの、設問の選択肢などを含めた総合的な分量はそれほど変わらない。該当する本文の一部と選択肢の関連性に着目しつつ、かつ全体的な意味を常に取りながら絞り込み・読み込みを進めていく必要がある。難易度は難。

大問2は鳥の行動にみられる生得的能力についての長文読解問題(1045語)。パラグラフごとの要約問題が無くなった。長文の難易度は高くないが、選択肢の英文なども含めた分量は非常に多い。いかに早く、正確に読解出来るかどうかが問われる。日頃からここは意識して勉強を進めたい。難易度は標準。

大問3は文法・語法の空所補充問題。driveの後ろに前置詞・副詞を入れさせる問題で、空所が7箇所に対し選択肢は9個。難しい熟語も無いため、時間をかけずに解いて次に向かいたい。難易度はやや易。

大問4は文法・語法の正誤判定問題。5つの選択肢から、空所に埋めるには不適切なものを1つ選ぶ形式。動詞の語法が苦手な人は、少し迷ったかもしれない。単語の勉強の第二段階として、動詞の意味だけではなく実際の使用例なども頭に入れておきたい。難易度は標準。

大問5も文法・語法の正誤判定問題。下線部4ヵ所のうち、文法的に正しくないもの(誤りがなければALL CORRECT)を選ぶ形式。昨年度よりも2問減少したうえ、熟語のレベルも標準的。難易度はやや易。

大問6は整序英作文問題。語形を変化させる必要もなく、使用しない選択肢も無いため吟味はしやすい。全体から考えるのではなく、それぞれのパーツに分けて考えると解きやすいか。難易度は標準。

大問7は与えられた絵から読み取れる内容についての自由英作問題。絵から読み取れる内容についての考えを1つのパラグラフにまとめるよう指示されている。解答欄のスペースから考えると、80～100語が目安。絵の解釈は人それぞれなため、いかに正確な英作文を書くかに焦点が当てられる。論理的な構成を自分がミスなく使える表現や文法事項に落とし込んで綺麗な英作文が書けるように、他者に添削やフィードバックをしてもらうとよいだろう。難易度は標準。

大問数や分量は昨年と変わらなかった。大問1がやや難しく感じられるが、大問2や文法問題ではそれほど難しくない問題が多く見られた。長文は、設問各所の下線部や留意すべき語に重きを置くのはもちろん、常に俯瞰的に内容を把握しつつ読み進めることが重要となってくる。日頃の学習から意識して出来るようにしておきたい。また、自由英作文があるため、時間を節約出来るような簡単な問題を、早く正確に解けるようにもしておきたい。この2点を抑えておくと良いだろう。難易度は標準。

日本史

大問1は中国の多元性とその歴史的背景について。設問３:正解は②。①は｢オランダ｣と｢ポルトガル｣が逆。③国連代表権が中華民国
(台湾)から中華人民共和国に交代したのは1971年。④李登輝は国民党の政治家。民進党の成立は1986年で政権の座についたのは2000年。難易度は標準。

大問2は室町期～明治初期の琉球王国の盛衰と日本の対外政策について。問2の④の判断がやや難しかったであろう。問４は、あとおの内容が細かく、やや難。

大問3は、大津事件への対応にみる政治・外交の史料問題。渋沢栄一の長女で法学者穂積陳重の妻となった穂積歌子の日記が引用された。問６のえの判断には商法典論争の知識を要するが、早稲田法学部志望なら知っておいてもいいだろう。

大問4は1970 年代以降の日中・日米関係について。問3のベトナム和平協定の成立は1973 年、ベトナム戦争の終結は1975 年なので、あまたはおが解答になり得る。この部分にちついては後日、大学より「正解として扱うことができるものが複数あったため、そのいずれを選択した場合も得点を与える。」との発表がなされた。難易度はやや易化。

差がつきやすい正誤問題や法学部で定番となっている近代に関する未見の史料問題の対策として、過去問研究は非常に重要である。それにより、日頃の学習においてどのようなことを意識する必要があるのかを明確にすることができ、合格に必要な学力を確実に身につけることができる。また、大問4では戦後史・時事的事柄の出題が多く、日頃から日本をとりまく国際問題などに関心を持つようにしたい。難易度はやや易化。

世界史

大問1は、古代から現代までの中国の諸民族の多元性について。設問２において、「南ベトナム（ベトナム共和国）」ではなく「北
ベトナム（ベトナム民主共和国）」が正しいことは明白だが、「南ベトナム民族解放戦線」も、正しくは「南ベトナム解放民族戦線」であることに注意されたい。難易度はやや易化。

大問2は、中世ヨーロッパ封建社会の変化について。設問１は「シャルル２世」ではなく「ルートヴィヒ１世」の死後。正文のウの内容が細かく、消去法で絞るためには知っておきたいところである。難易度は標準。

大問3は、古代から近代にかけてのネーデルラントの歴史について設問２の正解は２。ノヴゴロド国建国(862年)→キエフ公国建国(882年)→イングランド＝デーン朝の成立(1016年)→イングランド＝ノルマン朝の成立(1066年)の順番。難易度は標準。

大問4は第二次世界大戦後の冷戦の歴史について。設問４の正解はイ。ニュルンベルク市(南独バイエルン州)はソ連軍ではなく米軍が占領した。用語集の読み込みでは届かない部分の知識だが、地図でカバーしたいところ。難易度は標準。

大問5は６～10世紀末、北アジア･中央アジアのトルコ系民族集団の興亡と移動についての論述問題。「興亡」については指定の時期と語句を手掛かりに、突厥（「６世紀から」「唐の建国」）→ウイグル（「安史の乱」）→キルギス（「キルギス」）→カラハン朝（「イスラーム王朝」「10 世紀末にかけて」）を順に想起し、「移動」についてはウイグル崩壊を機としたトルコ系民族の西方移動を軸に考えればよい。教科書においてはまとめて載っているわけではなく、難易度はやや難。

正誤判別問題、年代序列問題ともに易化の傾向にある。単語帳や過去問を仕上げていれば十二分に対応出来る。論述は6〜10世紀と、近年全く出題されていなかった年代であり、細かい部分まで知識をしっかり入れ、また他者による添削も含めた論述対策もしっかり行ったうえで本番に望みたい。全体の難易度は標準。

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