2022年度早稲田大学文学部解答速報&入試総評
このページは2022年早稲田大学 文学部の解答速報と入試総評のページだ。 本年の早稲田大学文学部を受験した人、今後早稲田文学部を受験するつもりの人はぜひ参考にしてほしい。
2022年度早稲田大学文学部の入試の特徴
早稲田大学文学部の2022年の配点や平均点、合格最低点は以下のとおりだ。
・3教科型
教科 | 配点 | 科目 | 受験者平均点 | 合格最低点 |
---|---|---|---|---|
外国語 | 75 | 英語 | 39.154 | 130.8 |
国語 | 75 | 56.727 | ||
地歴 | 50 | 日本史 | 34.464 | |
世界史 | 35.212 | |||
合計 | 200 | - |
・英語4技能テスト利用型
教科 | 配点 | 科目 | 受験者平均点 | 合格最低点 |
---|---|---|---|---|
国語 | 75 | 58.523 | 87.5 | |
地歴 | 50 | 日本史 | 36.510 | |
世界史 | 37.434 | |||
合計 | 125 | - |
センター試験利用入試(センター+一般方式)
教科 | 配点 | 科目 | 受験者平均点 | 合格最低点 |
---|---|---|---|---|
外国語 | 75 | 英語 | 43.375 | 150 |
国語 | 75 | 58.400 | ||
センター試験科目 | 50 | 指定科目 | 40.922 | |
合計 | 200 | - |
※ 学部指定のセンター試験科目を複数受験している場合は最高得点の科目を利用しています。 ※ センター試験科目の点数は大学入試センター試験得点(100点配点)を50点配点に換算しています。 ※ センター試験科目の上記受験者平均点(成績標準化前)は、文学部受験者の大学入試センター試験得点(100点満点)を平均したものです。 この表を見ればわかる通り、早稲田大学は成績標準化を採用している。 素点での得点ではないことに注意だ。 一般にどの科目も平均点を超えて得点することが望ましいと言えるだろう。
2022年度早稲田大学文学部解答速報
では本年の早稲田大学文学部の解答を公開しよう。(英語のみ即日公開。その他の科目は翌日以降の公開となります。)
英語
国語
日本史
世界史
入試総評
本年の早稲田大学文学部の問題がどのようなものであったのか、そしてどのような対策をすべきであったのかをまとめたものである。 今後の学習の指針にしていただきたい。(問題確認後随時更新させていただきます。)
英語
大問1の語(句)補充問題はよくある形式だが、今年度は内容から判断させるものが多かった。最近はこの傾向が強いように思われる。文化構想学部と違い文学部は例年通りそこまで難しい単語はなく、内容把握力、推察力などが試される。難易度は標準。
大問2はA、B、Cの3つの英文を読み、3つの英文の内容一致を答える問題。難易度も比較的高くないため、本文を読む前にリード文を先に読み、何が問われているのかをしっかり把握したうえでいかに早く正確に満点を取るかといった力が問われる大問である。難易度は標準。
大問3は脱文挿入問題。長文自体の難易度はそこまで高くないものの、今年は明確に論理的展開がされていない物語風の長文であることと、空所に対して選択肢が1つ多いことから、序盤から終盤まで集中して読み進めていく必要がある。逆にハマれば全て綺麗に読めるため、丁寧に時間をかけて解き、正確に満点を狙っていきたい大問である。難易度は標準。
大問4は会話文問題。一見標準的な単語が並んでていて理解しやすそうに見えるが、簡単ではない。各選択肢の品詞が異なるため、まずそこを踏まえてから解いていかなければならないし、今年度は分量が増えさらに難化傾向となった。熟語表現などを抑えていると解きやすかったか。難易度は標準。
大問5は要約問題。200語程度の英文を一文の英語で要約させる形式で、文化構想学部同様、英文の出だしが少し与えられており、そのあとに続けて4~10語の英語を解答する。すでにヒントや様式がある状態なので、個々人が自由に書くというよりはある程度想定された内容の文で埋める必要がある。受験は加点方式ではなく減点方式なので、難しい表現や文法事項ではなく、自分が確実に使える文法事項で得点を狙っていきたい。難易度は標準。
他の学部に比べ、文法・熟語・語彙などの少し深めな知識も必要となる。読解の際には自分なりに文中に根拠を持って長文や設問を読み進めていけるかも重要となるだろう。2017年度以降追加された書き出しに合わせて記述する問題においては、日頃から論理的に文章を捉え、自らの言葉で簡潔に要約出来ているかどうかがカギとなる。難易度は標準。
分量はやや増加しており、全体的な難易度はやや難化。
日本史
大問1は旧石器時代~古墳時代の社会について。設問3がやや難しいか。イ…環状列石や盛土遺構は縄文時代特有の祭祀であるため弥生時時代には引き継がれない。オ…祭祀を行う場に生活の痕跡はない。からイ・オの2つが誤り。なお、環状列石では秋田県大湯遺跡、盛土遺構では青森県三内丸山遺跡が有名なこともぜひ抑えておきたい。難易度はやや難。
大問2は古墳時代~平安時代後期の文字文化について。設問8において、イ・エ・オは正文とすぐ判断できただろうが、アとウで迷うか。アの木簡は677年を示しており、飛鳥浄御原令の施行である689年より前のものであることに気づけると迷わずにウが誤りと導ける。難易度は標準。
大問3は中世後期の一揆について。史料問題、語句選択問題ともに平易な出題が多かった。早稲田大学頻出のテーマであるためぜひ満点を狙っていきたいところ。難易度は易。
大問4は「鳥瞰図・鳥」への関心と江戸時代の文化について。問1はエが正しい。ア…鈴屋は1782年に開かれた。イ・ウ…当時の建物は存在していない。オ…河村瑞賢ではなく角倉了以。建造物の詳細な知識を必要としており難しい問題であった。難易度はやや難。
大問5は山県有朋の人物史について。昨年度は没後100年ということで原敬の人物史が出題され、本年度も没後100年ということで山県有朋の人物史が出題された。ある程度目星を付けていた受験生もいたのでは無いだろうか。今後も出題される可能性が高いので、余裕のある受験生は該当しそうな人物について調べておいて高得点を取れると理想的。難易度はやや易。
大問6は室町時代~江戸時代の風俗画について。設問5における『洛中洛外図巻』は住吉具慶による作品だが、教科書の美術作品一覧にしか記載がなく難問か。文化史の学習の際には随時資料集やビジュアルブックなどを活用して対策していきたい。難易度はやや難。
文学部の特徴として大問1に考古学分野を含む問題、大問6に文化史が出題されることがある。標準的な難易度の問題から難問まで幅広く出題されるため、教科書や講義系の参考書で基礎的な流れなどを抑えつつ、知識面の強化を史料なども含め対策していきたい。
分量は変化なく、難易度はやや易化。
世界史
大問1はアレクサンドロス大王とヘレニズム時代。2021年「古代オリエント」・2020年「古代のヘブライ」・2019年「古代のシリア・パレスチナ」と同様の設定が続く。難易度は標準。
大問2はカール=ヤスパースから見た歴史観。設問1について『リグ=ヴェーダ』は最古のヴェーダであるから、後期ヴェーダ時代ではなく、正しくは前期ヴェーダ時代であることに注意。設問5は「数々と翻訳」とあるから仏図澄ではなく鳩摩羅什。この周辺の南北朝時代の文化関係の人名は頻出分野なのでそれぞれの事柄についてしっかりと整理しておきたい。難易度は標準。
大問3は民族の移動と中世ヨーロッパ世界について。設問2については条約の名前を知らなくとも、911年にロロによってノルマンディー公国が成立したことから解答を導ける。難易度は標準。
大問4は、時代・地域による漢語文献における「中国」概念の相違について。設問3における司馬光は唐宋八大家に含まれないことは頻出である。難易度はやや易。
大問5はバラ戦争とテューダー朝の成立について。設問3の並び替えは、1の1534年 国王至上法→3の1549年 エドワード6世一般祈祷書→4のメアリ1世(位1553年~1558年)→2の1588年 エリザベス1世・ドレーク・無敵艦隊という様に、年代がわからなくても国王の配列で解答できる。難易度はやや易。
大問6はルイ14世の対外戦争について。設問3においては、アウクスブルク同盟戦争の別名がファルツ戦争であることから正解を導ける。有名な別称なので基礎知識として抑えておきたい。難易度は標準。
大問7はアメリカ合衆国と中東やその周辺地域の関係について。設問5についてはフランスではなく、正しくはイギリス。フランスはイラク軍事攻撃に加わっておらず、シラク大統領はアメリカ主導のイラク戦争に反対した。各国のとった立場はときの大統領とともに抑えておきたいポイント。難易度は標準。
大問8は第2次世界大戦について。設問2は、デンマーク侵入(1940年4月)→パリ占領(同年6月)→バルカン制圧(1941年4月)→スターリングラードの戦い(1942年8月~1943年2月)。スターリングラードの戦いがわかれば即答できるだろう。1942年8月から翌43年2月にかけては欧州戦線・太平洋戦線ともに大きな転換点となっていることに注目したい。太平洋ではミッドウェー海戦(1942年6月)で日本海軍が大敗し、続いてガタルカナル島攻防(1942年8月~1943年2月)で日本軍にとって大打撃となるとその後米軍は攻勢に転ずる。これ以降、ドイツ・日本ともに損害を拡大し勢力を大幅に弱めていった。難易度は標準。
大問9は宮廷コレクションとミュージアムの背景について。設問4における選択肢は、ア.ミレー作の「落ち穂拾い」、イ.ワトー作の「シテール島への巡礼」、ウ.レンブラント作の「夜警」。エが正解のブリューゲル作の「農民の踊り」。どれも非常に有名なもので作者時代背景作風とともに覚えておきたい。設問5では、フロイトが精神分析学者であったことからエを正解として導ける。なお、アのプラグマティズムではデューイが特に有名。イはマルクスの理論。ウは実存主義でハイデッガーらが有名なことも抑えておきたい。難易度は標準。
2019を最後に姿を消した論述問題は今年も見られなかった。今後も傾向としては出題されない形式が続くと思われる。美術・文化史と合衆国関連の話題が頻出であるためその辺りを意識して日々の勉強に励まれたい。
大問数・分量ともに変化なし。全体的な難易度も昨年並み。
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