2021年度慶應義塾大学経済学部解答速報&入試総評
2021年の慶應義塾大学経済学部の解答速報と入試総評に関してだ。 慶應の看板学部にして、私立文系最難関の一つである慶應経済の問題は今年はどのような出題であったのだろうか。 この記事にしてしっかり確認していってもらいたい。
2021年度慶應義塾大学経済学部の入試問題の特徴
慶應経済は、 A方式…英語200点、数学150点、小論文70点 B方式…英語200点、歴史150点、小論文70点 の2つの方式にわかれる。 それぞれの方式の情報は以下の通りだ。
・A方式
入試年度 | 試験科目 | 配点 | 受験者平均点 | 合格最低点 |
---|---|---|---|---|
'20 | 英語 | 200 | 235.3 | 234 |
数学 | 150 | |||
小論文 | 70 | |||
合計 | 420 |
・B方式
入試年度 | 試験科目 | 配点 | 受験者平均点 | 合格最低点 |
---|---|---|---|---|
'20 | 英語 | 200 | 239.6 | 240 |
地理歴史 | 150 | |||
小論文 | 70 | |||
合計 | 420 |
さてこの平均点だが、第一段階を突破した人の中での平均点となってることに注意だ。 どういうことかと言うと、慶應経済はA方式だと英語90点、数学70点の合計160点分、B方式だと英語の90点が先に採点が行われ、その得点が一定以上を満たさないと、他の部分の採点が行われない仕組みとなっているということだ。 いわゆる足切り。 そのため、ここで表示されている平均点というのは、第一段階を突破した人の平均点ということとなる。
2021年度慶應義塾大学経済学部解答速報
では2021年の慶應義塾大学経済学部の解答を公開しよう。
英語
数学
世界史
日本史
小論文
入試総評
では今年の問題の難易度などをここで確認していこう。
英語
大問数は昨年通り。出題形式も昨年同様で、長文読解、和文英訳、自由英作という内容だった。
大問1は長文読解。顔認証システムの恩恵について。語数は約720words。空所補充が中心の問題となっている。語句の用法や文法の知識から推測できるものや、文脈から推測できる問題があった。問7と9は仮定法の文法知識が必要だ。難易度は標準。
大問2も長文読解。顔認証システムの問題点について。語数は約770words。大問1と反対の意見がかかれた内容になっている。また、大問1と同様に空所補充問題がほとんどだった。ここも文脈把握と文法知識があれば解ける問題となっている。難易度は標準。
大問3も長文読解。自動運転システムの普及の是非について。語数は約940words。この大問も空所補充を中心とした問題構成となっている。問33と34は筆者が賛成か反対か言及しているかの3択となっていた。大問1、2と比べると文脈把握が難しく、考察する必要がでる場面もある。難易度は標準。
大問4は和文英訳。コンビニでバイトしている学生の会話について。砕けた口語体で書かれているため、英語で表現するのが難しい。時制や文法でのケアレスミスに気をつけたい。難易度は標準。
大問5は英作文。こちらは例年通り、大問1から3のテーマについての自分の意見を述べる問題となっている。解答欄のペースから100〜120語がベストと言える。自分の意見と違うことを言及し、反対意見を述べ、大問の問題文を引用するなど細かい注意点があるので、記述する際には気をつけたい。難易度は難しい。
全体的な難易度は昨年並み。
数学
大問数は例年通り。今年は整数の出題がなかった。
大問1は図形と方程式。例年は小問集合だったが、今年は2つの円が同時に外接して動く円についての出題だ。解法は導けるが、処理する情報が多いため、時間配分に気をつけたい。難易度は標準。
大問2は確率。さいころの出た目によって得点が決まる確率の問題。確率の条件文が長いため、しっかり読んで理解したい。計算量はそこまで多くない。難易度は標準。
大問3は数列の問題。数列の和と一般項から漸化式を解く問題。リード文を利用し、特殊な漸化式を解いていく。難易度は標準。
大問4は対数関数と数列。対数不等式を満たす奇数の数とその和と桁数を求める。難易度は標準。
大問5は空間ベクトル。空間における球と平面上の三角形のについての問題。計算量が多いため、図形的考察を取り入れ計算すると計算が少し楽になる。難易度は標準。
大問6は微分・積分法。3次関数のグラフの接戦とそれらで囲まれた面積の問題。文字が多いため、式変形するときに気をつけたい。難易度はやや難。
全体的な難易度は昨年並み。
世界史
大問数は一昨年から引き続き3題だったが、小問数が37問と昨年より減少している。
大問1は対馬の歴史について。2021年度の日本史と同じテーマの出題。問2はaが甲申政変後の天津条約、bが日朝修好条規、cが壬午軍乱についての史料。cの史料を連想できれば、済物浦条約という言葉を知らなくても解答できる。難易度は標準。
大問2はスペイン・ポルトガルの探検航海について。2020年度の大問1と類似したテーマで、過去問対策をしているかが問われている。問7はaがパナマ地峡を超えて太平洋を発見したバルボアの記録、bはフィリピンでマゼラン戦死後に世界周航を達成したマゼラン艦隊、cは喜望峰を見つけたことからヴァスコ=ダ=ガマとわかる。bとcがわかればaがわからなくても正解に導ける。難易度は標準。
大問3はパリ大学の歴史について。パリ大学について近世から近代にかけて問われた。問14は難しく、アから愚神礼賛と推測したいが、(2)の波線部βからヘンリ8世と判断し、そこからエラスムスと連想できる。難易度は標準。
全体的な難易度は昨年並み。
日本史
大問数は昨年通り。
大問1は対馬について。近世から近代の日朝関係について出題があった。記述問題は基本的なもので、コンパクトにまとめれるかが鍵だ。難易度は標準。
大問2は近代日本の国家とその議事録について。問6のbの衆議院の年代の判別が難しい。問9の(2)は正確な時期がわからなくても、第一次世界大戦の時期であるとわかればおそらく解答できる。難易度は標準。
大問3は琉球の歴史について。問13の(1)は難しく、峠三吉「原爆詩集」など戦後の文化史から出題された。問14はグラフ上でマイナスの年が1974年だという判断し、解答したい問題。難易度はやや易。
全体的な難易度は易化。
小論文
慶早進学塾オンラインコース
- 勉強しているけれど、なかなか結果がでない
- 勉強したいけれど、何からやればいいか分からない
- 近くに良い塾や予備校がない
- 近くに頼れる先生がいない
慶早進学塾ではそんな方のために、オンラインコースという、テレビ電話やチャットを通じて指導するコースを用意しています。