2020年度慶應義塾大学商学部解答速報&入試総評
2020年慶應義塾大学商学部の解答速報と入試総評に関するページだ。 慶應商学部を実際に受験した人、もしくは今後受験する予定の人はぜひ確認していただきたい。
慶應商の入試の特徴
慶商は、 A方式…英語200点、地歴公民100点、数学70点 B方式…英語200点、地歴公民150点、数学70点 の2つの方式にわかれる。 それぞれの方式の情報は以下の通りだ。
入試年度 | 試験科目 | 配点 | 受験者平均点 | A方式合格最低点 | B方式合格最低点 |
---|---|---|---|---|---|
'19 | 英語 | 200 | 115.24 | 258 | 288 |
地理歴史 | 100 | 65.82 | |||
数学 | 100 | 49.76 | |||
論文テスト | 100 | 58.32 | |||
合計 | 400 | - |
A方式、B方式ともに全体の半分を英語の得点が占めるだけに、英語でどれだけ得点できるかによってそれがそのまま合否に直結しそうである。 また2011年や2014年のように数学や論文テストなどが易化した場合、大きく合格最低点が上昇することもあり、これだけ得点できたら絶対に合格するとは必ずしも言えない面がある。 2016年も比較的合格最低点が高かった年だと言えるだろう。 特にA方式の数学は難易度差が激しいので注意が必要だ。 またA方式の受験科目は英語、数学、地歴公民と他の私立大学では類を見ない受験科目となっており、この受験科目の影響で東大や一橋など難関国公立大学の併願者が非常に多くなることも大きな特徴である。
2020年度慶應義塾大学商学部
では2020年の慶應義塾大学商学部の解答を公開しよう。 本年は英語と数学に関して、当日中に解答を公開するため、ぜひ今後の学習の指針にしていただきたい。
英語
数学
日本史
世界史
地理
論文テスト
入試総評
英語
昨年までは7題構成が続いたが、今年から8題になった。設問数は51から44に減少したが、大問数が増えたため全体的な分量に変化はない。
大問1は長文読解。セオドア・ルーズベルトの努力と才能についての長文。語数は約800words。アメリカの大統領ルーズベルトの成功の秘訣についての文章。空所補充が4問、内容一致が6問の出題。
語彙や文法も標準レベルで、内容一致問題も文脈を読み取れていれば解ける問題。難易度は標準。
大問2も長文読解。良い議論は論理と感情の融合についての長文。語数は約800words。設問の形式は大問1と同じ。内容一致問題は昨年より減少した。紛らわしい選択肢があるため、惑わされないように注意が必要だ。また、本文も抽象的な箇所がいくつかあるため、本文の内容理解がしずらいと思われる。難易度はやや難しい。
大問3も長文読解。企業の倫理観と利益の関係についての長文。語数は約780words。人間がする不正行為についての実験に触れながら、ビジネスについて論じた文章。この大問も内容一致を筆頭に、語句の言い換え問題がでた。難易度が高い語句もなく、選択肢も紛らわしいのもなく解きやすい問題となっている。難易度は標準。
大問4は文法・語彙・語法問題。短文の空所に補充する語句を選ぶ問題。昨年より5問減り6問になった。一部難易度の高い問題もあるが、ほとんどは基本的な語彙や文法が問われている。難易度は標準。
大問5は長文空所補充問題。14行の英文にある7つの空所を補充する問題。英文、選択する語彙ともに標準的なので、あまり時間をかけずに解きたい。難易度は標準。
大問6は中文内容一致問題。大問5の半分ぐらいの量の英文の論旨を選ぶ問題。2016年まで出題されていたこの問題が今年復活した。設問は標準レベルだが、(44)は読み込まないと解けない問題。難易度は標準。
大問7は英文空所補充問題。英文中の6つの空所に、与えられた6つの動詞を適切な名詞に変えて補充する問題。名詞の単数、複数に気をつけたい。難易度は標準。
大問8も英文空所補充問題。英文5つの空所に与えられた動詞を必要に応じて語形を変える。語形を判断する文法力と語法の正確な知識が問われる。時制に注意したい。難易度は標準。
全体的な難易度は昨年並み。
数学
出題形式は例年通り、試験時間に対して問題、計算量が多く、難しい。今年も証明問題は出題されなかった。
大問1は小問集合。(i)複素数と漸化式、(ii)微積分(iii)三角関数(iv)二項定理(v)指数・対数が出題された。全て独立しており、標準的な問題なので、問題文の誘導に従えば解ける。難易度は標準。
大問2は確率問題。コイン投げにより円周上の8つの点を3つの動点が動くときの動点が一致する確率を求める問題。一致する場合を書き上げるのは大変なので、漸化式を立てて計算したい。難易度はやや難しい。
大問3はベクトルと微積分の問題。平面ベクトルの成分、大きさ、与えられた2点の座標とその2点を通る直線上の点を結ぶ三角形の面積を求める問題。内容は標準的だが、計算量が多いため、時間と計算ミスに注意したい。難易度は標準。
大問4は空間ベクトルと三角比。球面に接する2平面の法線ベクトルのなす角を求める問題。また、角度の近似値も求める。平面の方程式の知識があれば解けるが、時間がなく、ここまで解ききれない人もいるだろう。難易度は標準。
全体的な難易度は難化。
日本史
出題形式は例年通り。小問数は1問減少した。2年間続いた年代整序問題がでず、正誤問題も出題されなかった。
大問1は資料からみる日本の歴史について。原始・古代の政治、外交に関する基本的知識を問う問題。例年通り本学を受ける受験生にとっては簡単で、ミスは許されない。記述で差が出ると思われる。
問3は八色の姓という言葉はしっていると思うが、その目的まで理解している人としていない人で差が生まれるだろう。ただ、教科書の内容で十分理解できる。難易度はやや易。
大問2は江戸時代の大名と政治についての問題。江戸幕府開設から開国までのリード文から政治・外交史を中心にした出題。
(55)(56)の薩摩宝島はやや難しいが、選択肢から絞って正解したい。細かい知識は必要なく、満点を取れる人も多いのではないのだろうか。問2、3は記述問題となっているが、極めて基本的な知識なので、漢字誤記なでのミスは許されない。難易度はやや易。
大問3は近現代の経済についての問題。幕末から占領期までの貿易や産業をテーマにした問題。やや細かい設問が含まれるが、基本的な歴史用語を問う設問で構成されている。記述問題では長い用語を問うものが多く、漢字ミスには気をつけたい。問3の(4)も少し難しいが、現代にもある行政機関なので正解できただろう。難易度は標準。
全体的な難易度は易化。
世界史
出題形式は例年通りだが、論述問題が6問へと増加した。
また、2月18日に大学から大問3の問1(103)(104)と(109)(110)が適切に回答ができないため、受験者全てを正解扱いすると発表があった。(詳しくは下記リンクを参照)
https://www.keio.ac.jp/ja/admissions/news/files/2020/2/18/200218_info01.pdf
大問1は統治者、国家の代表の交替についての問題。昨年の皇位継承に関連して、世界史上の統治者や国家の代表の継承についてが出題された。問1(1)(2)から(5)(6)と問2は昨年にはなかった中国史の問題。(17)(18)が難しい。他の空欄は標準的だった。難易度は標準。
大問2はチョコレートの歴史についての問題。受験日が2月14日ともあって、チョコに関しての歴史が題材になった。問1の(41)(42)のマリ=テレーズは難しい事項である。 (71)から(74)は世界史の問題としては盲点となる語句だった。問6の従属理論も難事項である。難易度は標準。
大問3は石油の歴史について。石油についてのテーマ史となっている。(97)(98)の近衛文麿は日本史の用語だが、世界史用語集に掲載されている。(101)(102)の新自由主義は2017年にも出題されている。問2はやや難しいため、他の論述で点をとっておきたい。難易度は標準。
全体的な難易度はやや難化。
地理
出題形式は例年どおり。昨年は3つの大問とも系統地理の問題だったが、今年は系統地理2問、地誌1問の出題。
大問1は国際貿易について。戦後の貿易体制、政策、経済統合について問われた。基本的な内容のみで構成されているため、できるでけ失点はしたくない。問1のマークは難問はないため、全問正解をめざしたい。問4、5の記述問題も教科書に記述されているような問題なので、正解したい。また。問5はFTAの理念をWTOと比較すれば正解しやすい。難易度は標準。
大問2は世界の農業について。第二次世界大戦から現在までの世界の農畜産物の生産に関する問題。アグリビジネス、アメリカの農業、アフリカの農業、インドと中国の農業などの問題がでた。基本的な知識ばかりで、選択肢も難解なものもないため高得点を目指したい。難易度は標準。
大問3は東南アジア地誌の問題。東南アジアからの出題は2014、2016年と近年頻出問題である。第二次世界大戦後の工業化、ASEANなどについて、タイ、マレーシア、ベトナムの3カ国について問いている。問1の年号を問う問題は選択肢内に近い年号が多く、細かい知識が問われる。難易度は標準。
全体的な難易度は易化。
論文テスト
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