2020年度慶應義塾大学文学部解答速報&入試総評

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2020年の慶應義塾大学文学部の入試問題の解答速報と入試総評に関してのページだ。 2020年の慶應文学部の試験を受験した人や今後受験するつもりの人はぜひ参考にしていただきたい。

慶應文学の入試問題の特徴

慶應文学部は複数の方式はなく、配点や平均点、合格最低点は以下の通りだ。

入試年度試験科目配点受験者平均点合格最低点
'19英語15088.46233
日本史10058.54
世界史10052.28
小論文10053.63
合計350-

順番にあげていこう。慶應の文学部の入試には大きな特徴がある。

英語の設問が完全記述式

大半の私立大学の英語は長い文章を読ませて記号を選ばせるという問題が主流だ。 しかし慶應の文学部の問題では制限時間が120分で大問数は1問、そして自分で文章を書くという記述式の問題となっている。 これは今後数々の文献を読んでいく文学部の人が、文章を読み、自分で解答を構築できる力が身についているのかを試すという意図があるのだろう。 そしてこのような形式のため一橋大学などや旧帝国大学の英語を勉強してきている人にとって非常に慶應の文学部は併願しやすいという特徴がある。 昨今の短い制限時間の中で多くの問題を解かせるタイプの問題ではなく、一問一問じっくり文章や設問と対峙することが要求される。

英語で辞書が持ち込み可

また同様に英語の試験では紙の辞書であれば持ち込みが可となっている。 長い時間の中で一問一問にじっくり取り組まなければならない、慶應文学部特有の配慮である。 以上のように慶應の文学部は国公立の問題のような印象を受けるため、特に私大専願の人はそれ相応の対策をしなければならない。

2020年度慶應義塾大学文学部解答速報

では実際に2020年の慶應文学部の解答速報を確認していただきたい。 問題確認後随時更新される形となるが、特に英語は即日公開予定だ。

英語

2020年度 慶應義塾大学 文学部 英語 解答

日本史

2020年度 慶應義塾大学 文学部 日本史 解答

世界史

2020年度 慶應義塾大学 文学部 世界史 解答

2020年度慶應義塾大学文学部入試総評

ではここで今年の問題の総評について確認しよう。

英語

例年通り大問1題という形式。空想上の仲間を子供がもつことによる得る効果についての長文読解。語数は約1870words。空所補充が2問、下線部和訳が3問、内容説明が2問、内容選択が1問、和文英訳が1問の全部で9問ある。設問1と5は空所補充問題で、比較的簡単。設問2、3は下線部和訳、文構造を見ると和訳しやすそうだが、前後の文脈に合わせた和訳にするには国語力が必要。大問7、8は下線部内容説明問題。7は比較的簡単で、文脈を把握し、選択肢を絞れば解ける。8は該当箇所はみつけやすいが、指定語数でまとめるのが難しい。設問9は例年通り、本文の中に参考になる表現が含まれているのと、辞書持参可能という点を加味するとそこまで難しい問題ではない。

難易度はやや易化。

日本史

出題形式は例年通り。論述問題も100字で答える問題が2問でた。

大問1は古代から中世の外交について。このテーマは頻出問題。空所補充問題で適当な語句が無い場合、0を選ばないといけない設問たったが0を選ぶ問題はなかった。Eの鴻臚館とIの新安はやや難しいが、本学を志望する人は正解したい。難易度はやや易。

大問2は江戸時代の外交と文化について。年代を問う問題が昨年の1問から4問に増加した。昨年同様、空欄ごとに語群がある問題。空欄Iは有名な人物だが、ヒントがあまりなかったので、迷った人もいただろう。また、Nの1802年は難問だが、他の問題は基本的な知識を問う問題となっている。難易度はやや易。

大問3は古代の地方支配について。本学を志望する受験生には簡単で、問われている語句が基礎的なため、漢字ミスに気をつけて全問正解したい。ただ、空欄CとGは迷った受験生もいたかもしれない。難易度はやや易。

大問4は古代の政治・文化の史料問題。5つの史料を素材にした問題だが、読み取らなくても設問文から解ける問題ばかりだった。読み取る必要があるのは問5だけである。論述問題以外は基的な知識を問う問題。問7の論述はやや難しが、指定語があるため、方向性は掴みやすい。難易度は標準。

大問5は昭和戦前期の外交、経済についての問題。1931年の米価変動を説明した史料を用いて、昭和戦前期の事項を問う。昨年は解読が難しい史料だったが、今年は教科書の記述を読んでおけば対応できる問題。大問4と同様、論述以外は基本的な知識を問う問題となっている。問7は作況、米価、労働者移動の観点との条件があり、この条件を過不足なく盛り込み、余計なことを書いてはいけない。難易度は標準。

全体的な難易度はやや易化。

世界史

出題形式は例年通り。設問形式は記述式の50問となっている。

大問1は近代の戦争の歴史について。近代以降の戦争を主題とした問題が出題された。ほとんど基本的な用語を問う問題だった。

中でもBのクルップ、Iのポワンカレなど頻度の低い用語が問われた。難易度は標準。

大問2はチュニジアの歴史についての問題。古代から中世にかけてのチュニジアの歴史がでた。設問4のバスラが難問で、設問1、3はやや難易度が高い年号が出題された。難易度はやや易。

大問3は宋・明時代の中国史についての問題。ここも基本的な知識が問われている。Cの囲田、Iの李贄はやや細かい知識に加え、漢字ミスにも気をつけたい。Hは水滸伝は四大奇書の一つとして問われたが、四大奇書は全部覚えておきたい。難易度は標準。

大問4はユダヤ人の歴史についての問題。古代から近世のユダヤ人の出題で、ここも基本的なも問題なため、全問正解を目指せる。Eはやや細かい知識、文章に9世紀前半とあつので、これをヒントに正解したい。Fのゲットーも正解したい。難易度はやや易。

全体的な難易度は易化。

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